日本には土鍋という調理なべがあります。
白い粘土である陶土から造られた素焼きの蓋つきのなべです。
熱伝導がゆっくりで、一度温かくなると、保温性が高く、
スープやシチューの調理に向いています。
日本では主に冬場にこの鍋に野菜や肉を入れてテーブルで煮込みながらたべる料理に
用いることが多いのですが、今回はこの土鍋であずきを煮る方法をご紹介します。
土鍋料理は弱火でじっくり煮込むほうがいい小豆・いんげんにむいています。
土鍋によく似た鍋に、厚手のキャセロールがあります。熱伝導がゆっくりで
保温性が高い鍋が小豆を煮るのに向いています。
「小豆」を煮る
小豆は80℃のお湯に5時間以上漬けることによって柔らかくなります。
だから、バスタオルや毛布を使ってできるだけ保温すれば、ほとんど火を使うことなく柔らかくなります。
<材料> できあがり 煮小豆 約800g分
小豆 300g(約2合) 水 6カップ
- 小豆はよく洗って土鍋に入れ、約3倍(6カップ)の水を注ぎ加熱。
沸騰したら強火で5分、ふたをしてごく弱火で15分加熱する。
ふたをしたままバスタオルに包み、毛布をかけて一晩(約8時間)置く。
冬場はできるだけ暖かい場所のほうが良い。 - 翌朝ふたを開け、柔らかくなっているかどうか確認。
まだ固いようならふたをとって一旦強火で加熱し、沸騰したら100cc程度の冷水を注ぐ(ビックリ水)。
弱火にして好みの固さになるまで加熱する。
☆このまま土鍋にお砂糖と水を加えて・・・
田舎しるこ
豆から煮て粒を残すのが「田舎流」。じゃがいもやかぼちゃでつくったお団子を入れるのが
「北海道流」です。土鍋でつくると芯から温まる気がします。
心も体もほっかほかになりましょう♪
<材料> 小豆 300g(2合) 砂糖 240~270g(小豆の8~9割)
塩 少々 じゃがいも、かぼゃ 適量 片栗粉 適量
- 小豆はよく洗って、上記の方法で柔らかく煮る。
- 豆が柔らかくなったら水2カップと砂糖と塩を加え、味を整える。
水分が足りないときは水を足す。 - じゃがいも、かぼちゃは柔らかくなるまで蒸し、熱いうちに皮をむいてつぶし、
片栗粉を加え団子状に丸める。 - ②に③を入れて加熱し、団子が透き通って浮かんできたらできあがり。
土鍋ひとつでお赤飯
「鍋ひとつでお赤飯ってできないの?」という声に応えて、考えてみました。
じっくり火を通す性質の土鍋だからこそできる料理です。
火が強すぎるとこげつくことがあるので、水加減・火加減には要注意です。
<材料>4人分
小豆 50g もち米 3合 水 3合
- もち米は洗ってざるに上げておく。小豆はよく洗って土鍋に入れ、分量の水を入れて火にかける。
- 沸騰したらふたをしてごく弱火にして15分。
- 小豆がふくらんできたら、もち米をいれて煮汁と混ぜてなじませる。
- 再びフタをして中火にかける。湯気が出てきたら、フタをあけて水カップ1を足し、
こげつかないようにひと混ぜする。 - 再びフタをして弱火で15分加熱。そのまま5分ほどフタをしてなじませる。
- 空気に触れるように軽く混ぜてできあがり。炊き上がりは白っぽいですが、
時間が経つにつれてピンク色がついてきます。 ごましおなどをかけてどうぞ。
小豆のエコ甘納豆
3日かけてつくるかなりの上級編。
でも実際やる作業は「砂糖を煮詰めたみつに豆をつけこむ」だけです。
甘納豆としてそのまま食べるのもおいしいけれど、自家製パンの中に「豆パン」として巻き込んだり、
パウンドケーキの中に入れたり、となにかとアレンジを楽しめます。
この行程をそのまま計算すると4日間ですが、朝漬け込み→夜もういちど漬け込みなおし…と
いうふうにやれば2日でできます。
生き物を育てる気分で、じっくりスローな小豆らいふを楽しんで!
<材料> できあがり約800g
小豆 300g(約2合) 砂糖 450g 塩 小さじ1/2 グラニュー糖 少々
- 上記の方法で豆を煮る(皮が破れないように注意する)。
煮た豆をいったんざるに上げ、煮汁は土鍋に戻す。
煮汁に水カップ1を加え、砂糖250g、塩小さじ1/2を入れて強火で煮溶かす。
そこにざるに上げた豆を戻し、弱火で15分。
ふたを開け閉めして沸騰させないように調節すること!
15分煮たら、またバスタオルと毛布に包んで一晩(8時間置く)。 - 次の日、同じように煮た豆をいったんざるに上げ、煮汁は土鍋に戻す。
煮汁に砂糖100gを足して強火で煮溶かす。
そこにざるに上げた豆を戻し、ちょうどひたひたに豆がつかるよう
水分が足りなければ補って弱火で今度は10分。
ふたを開け閉めして沸騰させないように調節すること!
10分煮たら、またバスタオルと毛布に包んで一晩(8時間置く)。 - さらにまた、同じように煮た豆をいったんざるに上げ、煮汁は土鍋に戻す。
煮汁に砂糖100gを足して強火で煮溶かす。水分が多いようなら煮詰めて
とろっとしたみつにする。そこにざるに上げた豆を戻し、弱火で今度は5分煮る。
今度はへらでまぜながらみつをからませるようにする。
5分煮たら、またバスタオルと毛布に包んで一晩(8時間置く)。 - 糖分が豆にいきわたり、ふっくらとしたらできあがり。
ざるにあげて、流水でネバネバした糖分を軽く洗い流し、
もう一度ざるにあげて水気を切る。 - バットの上にペーパータオルをしき、豆を重ならないように広げて乾燥させる。
お好みでグラニュー糖をまぶす。
1週間程度は冷蔵庫でも保存がききますが、長期保存のときは冷凍してください。
編集 岡田尚子
記事提供 森田農場(株式会社A-netファーム十勝) 森田里絵様
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十勝の青空のもとで育った品種「きたろまん」です。皮の柔らかさが魅力。田舎じるこや小豆ご飯など、お気軽にお使いください。粒はやや小さめです。