あんぱんは、どうして甘いのか?
こんな疑問をもったことありますか。
わたしの目の前で、小さなおこさんとお母さんが、おやつに食べるあんぱんを手にしながら、こんな会話を交わしてました。
息子さん 「アンパンってなんで甘いの?」
おかあさん 「アンパンの中のあんこが甘いからよ。」
息子さん 「あんこは何で甘いの?」
おかあさん 「あんこは小豆と砂糖でできてるからよ」
息子さん 「なんで砂糖を入れるの?」
おかあさん 「・・・お砂糖を入れると甘くなって、みんなが食べたくなるから、かな」
息子さん 「なんで甘いと美味しいって思うの?」
おかあさん 「砂糖は食べるとエネルギーになるものだからねぇ。人間はエネルギーがないと動けないからエネルギーになるモノを美味しいって思うようになってるんだと思うよ」
とそこに、たまたま居合わせた、別のお母さんが会話に加わってくださりました。
「うふふ、可愛い質問ですね!
『小豆はお砂糖と結びつくと、水分と栄養をとじこめたおいしい粒子にかわるからなの。
おいしい粒子というのが、あんこね。
あんこには、砂糖と、小豆のポリフェノールがはいってて、バイキンを近づけにくくしてるの。
そういえば、バイキンマンをやっつけるアンパンマンって知ってる?
あんぱんは、砂糖とあんこのポリフェノールでパイキンをやっつけてるのよ。
だから、あんぱんを食べると、おいしくって、栄養もあって、パイキンもやっつける力もあるから、元気百倍になるの。』」
こう教えて下さったお母さんは、実は小豆農家のお母さんということ、後から教えていただきました。
あんぱんはなぜ甘い?
それは、おいしく元気になる栄養とエネルギーがあり、そしてバイキンを近づけにくい食べ物だからなんですね。
あんこがどうして甘いか、なんて、この会話を聞くまで、わたしは考えたことがありませんでした。
小さなお子さんの質問から、あんこが甘い本質を教えていただけることになるなんて、とかたわらで聞いていたわたしは興奮しました。
お子さん、お母さんたち、会話聞かせていただいてありがとうございました。
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『アンパンマン』は子供に人気の童話、そしてアニメです。
作者のやなさたかしさんは、ポリフェノールと砂糖がはいったあんことパンの関係を知っていて、「アンパンマン」を主役にきっと選んだのだろうとも、小豆農家のお母さんはおっしゃっていました。
(参考) アンパンマン・ボータルサイト
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この記事は実話をもとに構成しています。
お母さん リコさん
小豆農家のおかあさん 森田里絵さん(日本で一番小豆の作付面積が大きな、北海道十勝帯広の森田農場さんの方です。 http://www.azukilife.com/)
挿絵もお母さんリコさんと息子さんの作画です。
構成 和田美香