北海道十勝の森田農場さん主催の「小豆のアトリエ in Paris」に参加してきました。
参加の感想を3回にわけお伝えしています。
今回は、「小豆への愛が高い方が集まった稀有なチーム」の様子をお伝えします。
パリでのあんこづくり教室にどんな方がいらっしゃるかと思いますよね。
おいしいあんこを自分でつくりたいという在仏の日本人の方々が、パリからだけでなく郊外からもおこしくださっていました。また、新幹線にのって、フランス人料理研究家の方も地方からおこしくださっていました。日本のアニメが好きというフランス人のお嬢さんも。あんこが嫌いという彼氏をひっぱって参加してくださったら、あらまあなんと、帰りには「初めてあんこがおいしいとおもいました。」と、彼氏さんの嬉しいコメントもいただきました。
来客として会場に来てくださった方々との一期一会がとても新鮮で、また熱気があったことに、主催の森田農場さんも、とても手ごたえがあったとおはなしくださっていました。
でも、今回のイベントは、外部の目からみたら、特筆すべきことが、もうひとつあります。
それは、おいしい小豆を世界のひとに、もっとたくさん食べてもらいたいと、小豆への愛をもった、生産者と、シェフが、イベントというかたちで、コラボしたということです。
森田農場さんの小豆への愛
森田農場さんは、北海道十勝で、100年続く農家として、ずっと小豆をつくりつづけてこられています。いまの農場主の森田哲也さん森田里絵さんご夫婦が継がれた15年前、こう心に誓われたそうです。小豆を世界に広げると。それから15年たち、今年2017年に、パリでイベントを開かれるまでにすすんでこられました。
小豆は、手間がかかるけれどもかわいい子供のような存在なのだそうです。
小豆への愛を語る、森田哲也さん里絵さんのお話しは、小豆のひとつぶひとつぶに愛情がそそがれていることがひしとつたわってきます。その子供のような小豆を、おいしいと言って食べてくださる方に、ただ届け、美味しい輪を広げたい。だから、自分たちで、愛をとどけてゆこう、そう考えて、すすんでこられたそうです。
シェフ村田崇徳さんの小豆への愛
一方、会場を提供してくださった、和菓子職人・シェフ村田崇徳さんは、パリから日本の和菓子を盛り立てようと、和菓子を提供するパティスリーをパリで営んでおられます。村田さんのお店は、パリで唯一、小豆から餡を練っておられる貴重なお店です。フランスを、小豆を世界にひろげる活動の拠点にとされているのは、初めて口にする食材も、なんの先入観もなく、美味しいものは美味しいとうけいれ、挑戦のしがいがあるところだからとおっしゃっていました。日本では、和菓子は年寄りの食べるものと言われたり、子供は和菓子をたべないといわれたりするけれど、パリではまだ小豆文化はまっさらだから、ここで小豆をまずひろげて、パリで日常に食べられる小豆として、和菓子を食べなくなった日本にも逆輸入してゆきたいと。
ともに、日本やフランスといった場所や文化にとらわれず、おいしい小豆を食べてくださる方にとどけたいという共通の想いが、生産者さんと作り手さんにあったのでした。
おいしい小豆を世界に知ってもらう第一歩
小豆を売っても儲からないとか、和菓子屋は洋菓子店と違って儲からないとか、おいしい小豆や和菓子に寂しい言葉を、たくさん聞きます。
でも、そんな言葉をはねのけて、パリで行われた、森田農場さんと村田崇徳さんのイベントは、きっと和菓子や小豆を世界にひろがったときに、「あのとき、こんな活動をしていた先人がいた」と語り継がれる歴史的な時間になると、参加して感じました。
パリの和菓子店patisserie tomoさんで、小豆からあんこをつくる実演会の開催が決まったのは、2016年11月後半。日本語やフランス語での開催のご案内がはじまったのは、開催予定日から1ヵ月ちょうど前の2016年12月過ぎ。
イベントというかたちで同じ仕事にしてゆくまでに、さまざまな課題を乗り越える必要が短期間にあったと聞きました。
開催日2017年1月9日。
朝からあいにくの雨にもかかわらず、午前と午後の2部制のアトリエに、合計40名の方がおこしくださりました。
和菓子を世界にひろげたい和菓子職人さんと、小豆のおいしさを世界にも届けたい生産者さんがのタッグに、小豆好きの参加者さんが集った、小豆が世界に広がる第一歩の時間がここにありました。
小豆のアトリエ in Pris 主催者様情報
㈱A-Netファーム十勝 森 田 農 場
http://www.azukilife.com
会場のパリの和菓子店情報
Patisserie TOMO
11 rue Chabanais, 75002 Paris
http://www.patisserietomo.fr/
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