小豆を煮る前に、水に一晩つけるレシピ本もあります。
しかし、わたしたちazuki magazineでは、いまでは一晩水につけなくても、すぐ炊きはじめてもらっていいんですよとお伝えしています。
そうすると、「なぜですか?」という質問をいただきました。
たしかに、著名な料理家の先生でさえ、小豆は一晩水につけてから炊くと書いておられる本もあるぐらいですし、そうずっと教えられてきたから、いまごろ、「直ぐ炊いてもいいと言われても、その理由がわからないと炊けない」とおっしゃるお気持ちわかります。
ということで、小豆を一晩水につけずに、すぐ炊き始めていい理由を、2つ、お伝えします。
1、いま流通している小豆は保管状態がいいから
今の小豆は流通もよく、いい状態のものが手にはいります。
昔は、自家製の小豆を何年も大切に保管していたり、また流通も悪かったですから、年月のたった小豆を扱うとなると、皮が硬くなったものもありました。そういった、収穫してから年月のたったものは、お水に浸けてあげたほうが、より早く煮えるという点で、昔の方達は一晩水に浸けてというレシピを勧めておられたと考えています。
です流通がいい現在、購入された小豆は、洗ったらすぐに鍋に入れて火にかけてかまいません。
2、水に一晩つけると早く煮えますがその分、皮が割れ、腹割れしやすくなるから
浸水させると、小豆は、皮のなかに水を吸って大きくなり、早く煮えるという利点もあります。けれども速く煮えると、その分、小豆の皮が敗れやすくなります。
腹割れしやすくなると、中の呉(ご)が出てしまいやすくなります。
中の呉が出てしまうと、渋切のときにおいしいところを捨ててしまうことにもなります。
以上のような理由で、「小豆を炊くときは、炊きたいときに直接鍋にかけてOK」という方法をおすすめしています。