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【みはし】あんみつ、ってB級グルメなんです | Azuki - Red beans webmagazine

小豆と和菓子が主役のライフスタイルマガジン

【みはし】あんみつ、ってB級グルメなんです

【みはし】あんみつ、ってB級グルメなんです

みはしは、昭和23年に東京、上野で創業された、あんみつ屋さんです。

写真 あんみつ みはし 提供

みはしが、人気のあんみつ屋さんとして今あられるわけを、お聞きしてきました。

3つの柱が、みはしの味を支えてくれていることを知りました。

お話しくださったのは、あんみつ みはしの、代表取締役佐藤様と、工場長の 新飯田様です。

右から 佐藤社長、新飯田工場長、本木品質管理室長

【1、不変を生み出すのは毎日の変化があるから】

上野は、動物園や美術館があり、多くの方がおとずれる場所です。

たくさん歩いたらお腹が減ります。

帰りに、甘いものが食べたいねってなった時に、世代を超えて、おばあちゃんと一緒に来たときの味、お母さんと一緒に来たときに食べた味をまた食べたいな。

あ、今回もその味だった。

また今度もこの想い出の味を食べたいな。

そう言ってくださる方がいてくださるから、みはしは成り立っています。

 

お客様に変わらない味ねと言っていただくことが、わたしたちの価値なんです。

 

でも、そのために、毎日同じやり方で、あんみつをつくっていたらダメなんです。

なぜなら、毎日の天候から湿度も違います、季節ごとに温度も違います。

また、新豆と半年たった豆とをくらべると、水分量も違ってきます。

 

なので、「変わらない」と言っていただくために、わたしたちは、毎日変化しつづけています。

変化しつづける具体的なこととしては、azuki magazineさんなので、小豆のお話しをしましょうか。

 

あんみつは、とてもシンプルな材料でできています。

ひとつは、餡、つまり小豆ですね。

そして米粉でできた、ぎゅうひ。

砂糖でできる、蜜。

これらがうまくバランスを取っているのが、あんみつです。

 

その小豆を扱う、製餡では、小豆を炊く部分が、味の8割を決めます。

ここで、材料の良さを引き出す微妙なところまで調整します。

どうやって調整するかというと、豆をみて、前炊きの水の調整、そして火加減を変えるタイミングなどです。

これを、毎日少しずつ、豆をみながらベストな状態になるように変えています。

 

みはしに、もちろんレシピはあります。

でも、それでも、もっと小豆の旨味をだすためにと、すこしづつさらし方をかえたりということなどもしてきています。

 

時代は、甘味を減らす方向にきています。

お客様もその中におられます。

それでも、「変わらないね」と言っていただく必要があるので、ただ、単に砂糖の量を減らすだけではダメなんです。

 

そういった感覚的なところは、お客様の反応を見ながら、毎日の豆をみながら、少しずつ変えていきます。

ほんの少しずつ変えていく毎日の繰り返しの中で、今があります。

 

わたしたちはが毎日変化するなかで、変わらない味を生み出しています。

これは、「昨日と同じようにつくる」こととはまた違うのです。

 

つやつやのこし餡

 

【2、B級グルメというコンプレックス】

最近、「あんみつ屋です」と言える気持ちに、やっとなってきました。

 

私たちがひたすら追い続けてきたのは、ただの甘味屋だけど、いつか和菓子屋さんに負けない餡やぎゅうひをつくって、あそこの餡やぎゅうひはおいしいね、といってもらいたいというコンプレックスからきた気持ちです。

 

あんみつは、いまでこそどの和菓子店でも、商品として出される時代になりましたが、もとをたどると、茶道の主菓子から派生した和菓子の歴史のなかに、あんみつはありません。

 

いわば、あんみつは B 級グルメなんですよ。

 

歴史の浅い甘味でも、味では負けないよという想いが原動力となり、ここまでただひたすらにあんみつの技を70年間かけて磨いてきたのではと、いま振り返ると思います。

 

銅の大鍋ひとつひとつも、クセがあり、仕上がりが少しづつ違うのを、日々調整するのだそうです。

【3、みはしの味が好き、仕事が楽しいチーム】

だんだん店が大きくなってきているなかで、人手が足りないのは常なのですが、それでも、大々的に求人をだしたことがあまりありません。

 

私たちみはしで働く者は、みな、みはしの味が好きでここに来ているものが多いです。

 

私たちは職人というより、あんこに詳しいサラリーマンだと思っています。

 

好きなものをよりもっと磨いていこう、良くしていこうとしています。

 

仕事のなかで、今やっていることを楽しいという想いを文化として共有してゆけたらとおもいます。

ただの、やっつけ仕事にならないように。


佐藤様、新飯田様、お話しありがとうございました。

みはしをささえてきた3つの柱をご紹介しました。

この3つがあれば、まだ70年しか経っていませんとおっしゃりますが、100年を越し、きっと老舗になってゆかれるのだと感じました。

 

佐藤様は、こうもおっしゃっていました。

 

「上野で創業し、ここまで地域に育ててもらってきました。

地域に守り育ててもらった感謝の気持をもって、今後は、地域に貢献してゆく責任もあると考えています」

 

はい。

おいしい餡をずっと炊き続け、老舗となってわたしたちを楽しませつづけてください。

取材日 2019/9/10

砂糖を加えたところ

<取材協力>

あんみつ みはし(有限会社みはし)

東京都台東区上野4-9-7

http://www.mihashi.co.jp

ABOUT THE AUTHOR

Azuki編集部編集長和田 美香
むくみやだるさで仕事も子育ても苦しかったとき、小豆玄米ごはんや、オリジナルの小豆シリアルを毎日食べることで、調子をとりもどす経験をする。もともと美容業界で働いていており、内面から輝く美容には、毎日の食も大切と実感していたことから、小豆のよさを世界の女性に伝える大使としてAzuki.tokyoの活動を始める。
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