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小豆は、健康だけでなく、土や、農業の未来にも効く | Azuki - Red beans webmagazine

小豆と和菓子が主役のライフスタイルマガジン

小豆は、健康だけでなく、土や、農業の未来にも効く

小豆は、健康だけでなく、土や、農業の未来にも効く

毎日の食を考えるとき、私たちの子供が大きくなった時も、孫が大きくなった時も、豊かな食卓を囲むことで幸せを実感しつづける世界が続いてくれればいいなと、願う気持ちになるときありませんか。

筆者は、そんな豊かな食がずっとつづいてゆく農業環境の整備にも貢献する仕事にもしたいと考え、「小豆を世界にひろげる」活動を始めています。

なので、10年後20年後だけでなく、100年後、そして1000年後の人類も支える食べ物とその生育環境づくりは、小豆を通して今何ができるのだろうかという問いが、筆者にはずっとありました。

あるとき、2つの書籍から、根粒菌という世界に目を向けることで、小豆が、人間と地球と両方を支えてくれる存在になることの可能性にも気づかせてくれました。

『土と内臓 (微生物がつくる世界) 』

デイビッド・モントゴメリー  (著),‎ アン・ビクレー (著),‎ 片岡 夏実 (訳),2016年。
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『豆農家の大革命: アメリカ有機農業の奇跡』

リズ・カーライル (著),‎ 三木 直子 (訳),2016年。

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ただ、上記2冊には、大豆やレンズ豆の事は書かれているのですが、小豆には一切言及がありません。

小豆も豆類ですよね、同じように持続可能な食環境作りに、小豆も寄与してくれると言えれば良いなぁと、そうだ詳しい方にお聞きしようとおもいたち、小豆の世界的第一人者であられる、あずき博士加藤淳先生に突撃取材してきました。

小豆畑の若い芽。北海道十勝の小豆農家さん6月の様子です。
小豆畑の若い芽。北海道十勝の小豆農家さん6月の様子です。

 

まず根粒菌の説明

植物が育つには、窒素が必要です。

根粒菌は、空気中の窒素を、有機体の窒素に変える働きを土壌の中でしてくれる細菌です。

植物は窒素で育つといっても、窒素のままでは植物は吸収できませんので、さらに窒素からアンモニアに変換し、さらに土壌の中から根が植物に吸収されやすいような形に変換してくれるが、根粒菌です。

これはこの根粒菌は、マメ科の植物の根に共生していることが多く、豆を育てると、根粒菌圏が拡大し、肥料を施した後のような豊かな土壌に変えてくれると言う利点があります。

 

豆類のなかでも、小豆は優秀

豆類の中で、この根粒菌の力が1番高いのが大豆です。

小豆は、大豆に次いで2番目に、この土壌条件を整える力があると加藤先生に教えていただきました。

 

身体のなかのミクロにも、そして地球環境のマクロにも役立つ豆、小豆

 

小豆は私たちの体内に入ると健康ダイエット効果も健康効果も高まります。

それは、あずきに含まれるのは消化されにくいデンプンであることや、ごぼうの3倍もの食物繊維を含むことや、むくみを解消するサポニンを含むこと、さらにアンチエイジングが期待できるポリフェノールをワインの2倍も含んでいるからです。

それに加え小豆を食べることは、持続可能な農作物の育つ土壌を支えることにもつながるということです。

農作物の生産量を左右する窒素を、限りある化学肥料から大量消費しつづけるばかりの方法だけではなく、省資源で環境調和も積極的に図りながら農作物の生産体制も確立できる方法への可能性を、大いに秘めているわけです。

食べて健康になる元気になる小豆のお話だけでなく、小豆をもっと食べることでより土地が豊かになり、私たちの未来にもその元気が長続きする世界を作ってくれることにつながると言うお話しでした。

甘くない小豆料理もおいしい組み合わせたくさんあります。
甘くない小豆料理もおいしい組み合わせたくさんあります。

 

加藤先生、どうもありがとうございました。

小豆をはじめ豆をもっとたくさん食べたいです。

和田美香

2018/2/2取材

<取材協力>

加藤 淳 様

加藤淳博士
加藤淳博士

地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 道南農業試験場 場長。農学博士。

北海道帯広生れ。帯広畜産大学大学院修士課程修了。北海道立中央農業試験場、北海道立十勝農業試験場、オーストラリア・クイーンズランド大学で豆類の品質・加工適性などを研究。

「あずき博士」として、講演活動や小豆をはじめとした豆の普及に幅広く取り組んでいるほか、世界でも小豆の第一人者として国際雑穀会議などにて研究発表活動も精力的に行う。主な著書に、『「あずき」のチカラはこんなにすごい!』(ロングセラーズ)、『小豆の力』(キクロス出版)など。監修に『あずき水ダイエット』(宝島社)など。

 

ABOUT THE AUTHOR

Azuki編集部編集長和田 美香
むくみやだるさで仕事も子育ても苦しかったとき、小豆玄米ごはんや、オリジナルの小豆シリアルを毎日食べることで、調子をとりもどす経験をする。もともと美容業界で働いていており、内面から輝く美容には、毎日の食も大切と実感していたことから、小豆のよさを世界の女性に伝える大使としてAzuki.tokyoの活動を始める。
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