デンマーク留学中、小豆教室を開催した高橋哉帆さんをゲストスピーカーに迎え
イベント「デンマークでの小豆教室の話を聞こう」を開催しました。
高橋哉帆さんとは
「食と農業」への興味からデンマークへ交換留学
高橋哉帆さんは国際基督教大学(ICU)4年生、人類学を専攻しておられます。
2017年8月から1年間、デンマーク第二の都市オーフスに交換留学されていました。
日本ではあまり馴染みのないデンマーク。
「なぜデンマーク?」と思われた方もいらっしゃるのでは。
デンマークは農業先進国なのです。
有機農業も盛んで、普通の食品との価格差もわずか1,2割。
フードロス(食品廃棄)を4年間で25%削減させた実績もあり、
国を挙げて農業を推進しています。
食や農業に関心をもっていた哉帆さん。
このような経緯がありデンマーク留学に至ったのでした。
クラウドファンディングで小豆教室の費用を資金調達
そんな哉帆さんとAzuki編集部 編集長 和田との出会いは
Campfireでのクラウドファンディングでした。
「デンマークで小豆ワークショップを開催するために
クラウドファンディングしている学生さんがいるの~♡」
ということで、連絡を取り、今回のイベントにつながったのでした。
資金調達した資金は、ワークショップでの食材費や会場費に充てたそうです。
デンマークでの小豆教室
デンマークにて4回の小豆ワークショップを開催
きっかけはフードフィルムフェスティバル( Food Film Festival)でした。
偶然なのか運命なのか、
フードフィルムフェスティバル 最初の上映映画が「おはぎ」という日本映画だったのです。
「私もおはぎつくれますよ! 和菓子のワークショップできますよ‼」
と、ワークショップを開催することに。
デンマークでは日本の食文化への関心高く、
通算4回のワークショップを開催しました。
参加者は、日本食に興味があるひと、発酵食品(味噌など)に興味があるひと、
国際交流や食文化に興味のある哉帆さんご友人と様々です。
ワークショップは、映画上映会と料理体験の2部構成。
あんこを炊くのは時間がかかるので、テレビ料理番組のように、
①ゼロからつくるあんこ、②ある程度仕込みをしたあんこ、
と2種類準備をして、あんこづくりの全工程を理解してもらおうと努めたそうです。
どら焼きつくりには、ホットケーキミックスを使用。
おもちをつくるのに日本米は準備できないので
アジアンマーケットでライスプディングを買ってきて、
と創意工夫を重ねていったのでした。
海外ならではの苦労話
「ここで調理してね」といって連れてこられた会場が、
IHヒーターやホットプレートだったこともあったそうです。
小豆を煮るために、火力が強くて火の強さも目視で確認できるガス火を使用したいのですが、
デンマークではIHヒーターが一般的。
目に見えないIHヒーターでの火力調整は難しく、
ホットプレートでは全然火力が足りません。
同じ建物内の別キッチンのコンロを借りて、
時間短縮のため、なくなく強火であんこを煮詰めたこともあったそうです。
甘い豆「あんこ」へのデンマーク人の反応
「甘い豆」を食べる習慣がないデンマーク人、ヨーロッパ人の反応は十人十色です。
「おいしいね」というひともいれば、「おもしろいね」というひとも。
「おもしろいね」というひとは、大概「味は好みではない」というニュアンスを含んでいるようです。
哉帆さんが見た海外
質疑応答も盛り上がりました!!私も迷わず質問!
1点目は、「デンマークの食」
勝手な偏見ですが、ヨーロッパの中でごはんがおいしいのは南側のラテン系、
フィンランド料理は「めちゃくちゃまずい」と聞いたことがあったので、
隣国デンマークの食が気になっていました。
・日本よりは食のバリエーション少ない
・じゃがいも・ライ麦パンが主食で、豚肉をよく食べる。
・ノルウェーに近いが、サーモンは高い。サーモンよりもニシンの酢漬けをよく食べた
・朝、昼は火を使わず食べれる冷たいもの・簡単なもの(パンやオートミールなど)を食べ、
夜に温かいものを食べる
交換留学生に囲まれて生活していたので、
意識してデンマーク料理を食べに行ったそうです。
2つ目の質問は、「日本食はデンマークでどのように認知されているのか」です。
ひとによっては、まだ日本に侍がいると思い込んでる人もいますからね〜。
やはり寿司を見かけることが一番多いそうです。
それも、日本人ではなく現地の方が経営しているお店。
デンマーク第二の都市オーフスでも、いくつかお店があったそうです。
あとはラーメン。
それ以外の日本人に接する機会はほとんどなかったようです。
和菓子にも触れることは皆無ですよね。
ワークショップの中でも、
日本食には興味はあるけども和菓子、おはぎなんて全く知らないので、
日本の伝統行事の背景と合わせてご説明されたそうです。
あとがき
「食や農業を軸に」
「食べものはコミュニケーションツール」
「やっぱり私はあずきが好きだから」
と語る哉帆さん。交換留学に続き、これから大学を休学して新たなステージに進まれます。
会場となったみなもとのご主人からも、
フランス・プロヴァンスにどらやきを焼きに行った話を伺いました。
「将来、フランスでどら焼き屋をやりたい!」
と熱く語ってくださいました。
(みなもとの大福、どらやきが食べられなくなるのが困ります‼)
これからの小豆・高橋哉帆 さん・みなもとご主人の活躍に注目、期待しています‼