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パリから、日本の和菓子を発展させたい | Azuki - Red beans webmagazine

小豆と和菓子が主役のライフスタイルマガジン

パリから、日本の和菓子を発展させたい

パリから、日本の和菓子を発展させたい

パリで唯一、小豆からあんを練る和菓子店 パティスリー朋(Patisserie TOMO)を営んでおられる、和菓子職人・シェフ 村田崇徳さんにお話しを伺ってきました。

お忙しいなか取材のお時間をいただいたので、「どうしてパリで和菓子なのか」と、単刀直入な質問からはじめさせていただきました。

おいしい本物の和菓子をつくって、パリから、世界から、日本の和菓子界を発展させたい。

村田さんは、ただその熱い想いでいま活動されていることを教えてくださりました。

ご実家が和菓子店だった村田さんは、小さいころから、「どうして和菓子は広がらないんだろう」と思っていたそうです。

和菓子職人の修行を終え、実家を継ぐとなった頃、たまたま立ち寄ったパリでの出会いがきっかけで、村田さんはレストランあい田のデザート部門で働くことになり、それ以来、おいしい小豆の味をたべてもらって、和菓子のよさを知ってもらうための試行錯誤をパリで重ねてこられました。

日本で、和菓子と言えば、おじいちゃんおばあちゃんの食べ物とおもわれている場面も多く和菓子離れがおこってきています。
そんななか、ただ美味しいという純粋な楽しみを感じていただける食べ物に和菓子の地位を高めなおしたい。
もいちど小豆の良さを見直してもらいたい。
和菓子も材料は吟味され、手間ひまかけて丁寧につくられていることも伝えたい。
そのために、まず、美味いものをつくる。そして食べてもらい、またもいちど食べたいと思っていただき、そしてリピートしていただく。
これをパリでひろげ、フランスの家庭で普通にあんこがパンにつけられ食べられる世界をつくりたい。
パリで小豆が普通にたべられる世界を築けたら、日本に小豆のよさを見直す機運が逆輸入できるのでは。
そして日本でも、吟味された材料で手間ひまかかった本物の和菓子の味がもっと評価されるようになったら、手間暇相応の価格にも出来るし、そうすれば和菓子界も発展し、さらにもっと、小豆の良さを知っていただける人を増やせる。
村田さんは、翌日の仕込みで手を動かしながら、そんな想いを、とつとつと話してくださりました。

また、アレルギーの少ない安全な食物としての小豆のアピールポイントも、フランスからひろげるのが有効ではと、村田さんは話してくださりました。
というのも、フランスでも、お子様にアレルギー反応がでない食べ物をさがしておられるお母さまが多いからだとか。
あるとき、ナッツもだめ、牛乳もだめ、タマゴもだめ、小麦もだめ、だけど、あんこを初めて食べさせてみたら、アレルギー反応が出ず大丈夫だったうえ、お子様もこんなにおいしいお菓子は初めだと喜んで召し上がった、と、わざわざお店に和菓子の味を伝えに来てくださったお母さまがいらしたそうです。
グルテンフリーの安全で美味しい菓子として、あんこをフランスの子供たちがたべてくれたら、フランスや日本といった国に関係なく、子供たちの未来を救う食べ物を提供できることにつながると、小豆がもたらす可能性の高さもあるのですね。

フランスで小豆が受け入れられる素地があったから、村田さんはパリに来られたのではないと感じました。
価格や心象風景も含めて小豆や和菓子への先入観がなにもなく、まっさらな気持ちで小豆を初めて口にされる方に、ただ美味しいとおもっていただける味のご提供に専念できる場所として、シェフ村田崇徳さんは、パリにおられます。

手間暇と材料の吟味に応じた価格付けも受けいれていただける和菓子の世界までもを思い描いて、菓子作りをとおして一歩づつ進んでおられる村田さんの活動を、メディアAzukiは全面的に応援し、小豆を世界にひろげる活動の輪をひろげてゆきたいです。

村田崇徳さんが経営と和菓子づくりに携わっておられるパリの和菓子店
Patisserie TOMO
11 rue Chabanais, 75002 Paris
http://www.patisserietomo.fr/

ABOUT THE AUTHOR

Azuki編集部編集長和田 美香
むくみやだるさで仕事も子育ても苦しかったとき、小豆玄米ごはんや、オリジナルの小豆シリアルを毎日食べることで、調子をとりもどす経験をする。もともと美容業界で働いていており、内面から輝く美容には、毎日の食も大切と実感していたことから、小豆のよさを世界の女性に伝える大使としてAzuki.tokyoの活動を始める。
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