Warning: getimagesize(/home/mikangumi/azuki.tokyo/public_html/wp-content/uploads/2017/04/IMG_0500-e1491025775619.jpg?v=1603757874): failed to open stream: No such file or directory in /home/mikangumi/azuki.tokyo/public_html/wp-content/themes/dp-magjam/functions.php on line 1062
お汁粉は飲むものか?食うものか? | Azuki - Red beans webmagazine

小豆と和菓子が主役のライフスタイルマガジン

お汁粉は飲むものか?食うものか?

お汁粉は飲むものか?食うものか?

「汁粉は飲むものか?食うものか?」

の談義をされたのは、文豪 芥川龍之介と久保田万次郎でした。
芥川龍之介は、お汁粉を好んで召し上がったようで、
東京のご贔屓のお店もいくつか随筆等で紹介されています。
東京上野の「常磐」はお気に入りだったようですが、東京大震災で焼失し、
それきり復活はしなかったようです。
常磐の汁粉は白餡のお汁粉だったそうですが、
なかなか白餡のお汁粉を頂けるお店は都内にはありません。

汁粉は食べるもの、というのが、芥川龍之介の見解であったようです。
飲むというにはあまりにも存在感のある汁で
満足感が高かったからなのではないでしょうか?

お汁粉の発祥は、出雲大社の神々に捧げる「神在餅(じんざいもち)」とも、
江戸時代の初期の「料理物語」には塩味の「すすりだんご」が
小豆と餅を煮たもので、宴会の間食に供された ともあり、
もともとは塩味の汁物であったようです。

また関西ではお汁粉は、こしあんの汁物に餅をいれたもので、
粒あんの汁物はぜんざいと呼びます。
関東では、小豆の甘い汁物は汁粉と統一され、粒あんは田舎汁粉と呼ばれます。
関東でぜんざいとは、汁物ではなく餅に小豆餡をかけたものになります。
関西で餅に小豆餡をかけたものは、亀山と呼ばれます。

「どツちだっていゝぢやアないかそんなこと」というより他ないと
久保田万次郎氏は書いておられましたが、
やはり汁粉は飲むものではなく、「食うもの」ではないかと思うのは、
お汁粉は飲むというにはあまりに甘く、心もお腹も満たされるから、なのです。

空腹の時、本当に疲れた時に、甘いお汁粉がほしくなりませんか?
小豆には、脳にぶどう糖を素早く吸収しやすくしてくれるビタミンB1を多く含んでいます。
ポリフェノールや食物繊維の豊富なこともありますが
温かいお汁粉をすすることで、生き返ったような心持ちになります。
現代でも、受験生や脳を使う仕事の方には、ぜひあったかいお汁粉でホッと一息、
栄養補給していただきたくのがいいと思います。

こちらは虎屋の白あんのお汁粉です。希少な白小豆を使っています。
季節限定になりますが、文豪も好んだ白いお汁粉も試してみては
いかがでしょうか?

虎屋 「和三盆糖入 お汁粉」白小豆汁粉

ABOUT THE AUTHOR

岡田尚子
美と食のライター・料理人
おいしい!という笑顔のために、味だけでなく、
料理の演出も含めた提案が得意。
味覚が繊細な方向け定番レシピだけでなく、組み合わせにこだわらない
アレンジレシピへのチャレンジが好き。
和菓子は美につながる食として注目している。
料理人魂からおいしい和菓子店に出会うとまねて作りたくなり、また広めたくなる性分。
Return Top