パリの小豆イベント参加報告会を2月4日に開催しました。
(開催報告 https://www.azuki.tokyo/archives/649.html)
あんこづくり実演コーナーがはじまったら、ご参加のかたから、小豆を煮かたを熱心にご質問いただきました。
一番多かったのは、「わたしはなんで失敗したのか」という原因探し。
ご自宅で小豆を煮られたときに「渋かった」「固かった」「おいしくなかった」とのこと。
砂糖はどんなものを使えばいいのかとか、沸騰したら鍋は何分煮るのか、といったご質問に及ぶのですが、でも、根本は、小豆の穀物としてどう活かす調理をするかという点に尽きます。
そこで、小豆農家の森田農場、森田里絵さんに、「小豆が煮えない!」と農場にかかってくるお電話の内容を分析いただき、一番多い小豆を煮るときの3大失敗原因とその対策をあげていただきました。
失敗の原因 NO1 水の温度が低い
対策 煮始めるときは、水を温めて沸騰させてから小豆を投入する
「小豆がいくら煮ても固い」という失敗のご経験のあるかたは、最初に小豆を投入するときの水の温度をまず検証してください。
小豆を洗ったあと、沸騰したお湯に小豆を投入してください。
NG 一晩水につける
大豆や金時豆は、皮から水を給水します。なので、一晩水につけ、皮全体から水を吸収させます。
一方小豆は、皮から水を吸収しません。小豆の白い目の部分からのみ、水を吸収します。ただこの白い目の部分は、温度に敏感です。冷たい温度の水にふれると、給水口部分が閉じてしまい、水を吸収しなくなってしまいます。すると、いくら長時間煮てもやわらかくならないという失敗につながりやすくなります。
くれぐれも、一晩水にはつけないでください。
もし、一晩漬けておいて、翌朝手早く調理をすすめたいときは、「お湯」に小豆を投入してください。
バスタオルや毛布、鍋帽子などで鍋をくるんで、小豆をお湯に一晩つかった環境のなかに置いていただくと、翌朝、やわらかくなっていますので、あとはお好みの固さになるまですこしの時間煮るだけでゆであがります。
NG 水に小豆を投入する
沸騰したお湯に小豆を投入してください。 小豆の給水口である、白い目に冷たい温度をみせないためです。
失敗の原因 NO2 渋切とびっくり水のタイミング
対策 渋切工程やびっくり水の工程は、小豆が水を吸ってふっくらしてきたのを確認してからおこなう。
「小豆が固い」というかたは、実は、小豆を煮るレシピどおりに「沸騰して何分したら渋切」「何分したらびっくり水(差し水)」を実行されている方におおいようです。
レシピに忠実に、小豆が水を給水してふっくらふくらんできたかどうかを見ずに、レシピ本と時計を見て料理されてしまっているからです。
渋切も、びっくり水も、失敗しないポイントは「小豆がふっくらしてきたら行う」です。
普通鍋で煮る時の目安としては30分ぐらいを考えてください。
たとえば、まだ小豆が吸水していない早い段階、たとえば10分程度で、渋切をしてしまうとします。
すると、いちど煮汁をすてたあと、また冷たい水にふれてしまいますので、吸水口が閉じてしまい、それ以上吸水しなくなる状態でとどまることもあります。
なので、渋切のタイミングは、小豆がふっくらしているかどうか眼で見て確認してから、行ってみてください。
また、渋切のタイミングが早すぎると、渋切の効果があまり働かず、渋さが残ることにもつながります。
というきも、小豆がふっくらして、小豆の渋い成分「タンニン」が煮汁の中にとけだしたものを捨てるのが、渋切作業の本来の意味です。
ですが、小豆がまだ固い段階では、タンニンが溶けだしておらず、タンニンはまだ小豆の中にとどまったままになります。
ということは、小豆が固い段階で渋切をしたとおもっていても、実は渋み成分タンニンはぬけていないということに。
渋抜きのタイミングも、早すぎてはダメなんですね。
びっくり水も同じです。
小豆がふっくらやわらかくなって、鍋の水分がすくなくなってきたら、ここで初めて冷たい水をびっくり水として差してください。
すると、水の温度差で、小豆が芯までやわらかく煮えます。
失敗の原因 NO3 調味料を加えるタイミング
対策 あんこにするときは、すこし煮すぎたかな、と思うぐらいのやわらかめのタイミングで砂糖を投入する。
調味料をいれたあとは,いくら煮ても、それ以降、豆はやわらかくなりません。
好みの固さになったときに、砂糖や塩など、調味料を投入するようにしてくだいさい。
豆料理全般に通じることですね。
「小豆が固い」というお悩みの場合は、もしかしたら、砂糖を投入するタイミングが早すぎるかもしれません。
以上が、小豆を煮る時の3大失敗原因でした。
あれっとおもったとき、まずは、失敗の3大原因を、とりのぞいてもいちどチャレンジしてみてくださいね。
きっと、ふっくらつやつやあんこ、出来上がります。
最後に、「小豆の顔をみて煮てほしいな」と感じたことをお伝えします。
森田里絵さんにお話しを伺ったときこんなエピソードをおしえていただきました。
有名な料理研究家のレシピを参考にして、寸分たがわずやっているのに、何度やっても小豆が固い!
そんなクレームのお電話が森田農場さんにかかってきたことがあったそうです。
残念ながら、料理研究家さんが、どの産地の豆を活かすレシピを書いてくださっているかまでは、料理本には書かれていません。
なので、レシピどおりにやっても失敗するというときは、小豆の水を吸う特性を知って、小豆の顔をみながら煮ていただくことをお勧めしたいです。
<小豆の失敗原因を知りたい>
そんなあなたに朗報です。
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http://www.azukilife.com/